2017

あけましておめでとうございます。
本年もどうぞよろしくお願いいたします。

年越しはブツ撮りしてフィルムをスキャンして原稿を書いていました。そしていまも原稿を書いています……。年末年始こんなに仕事をしているのは初めてです。だけど、わたしは写真が大好きなのでこの状況はとても幸せです。ありがたやありがたや。

さて。2017年。

前回も「アシスタントは、1年目に意味がわかって、2年目に慣れて、3年目に実技」というボスの言葉を書きましたが、今年のわたしは2年目、「慣れる」年です。

「慣れる」というのは一番危ない時期でもあります。いろいろな面で最低限のことができるようになったいま、手を抜こうと思えばいくらでも手を抜けるし調子にも乗れるように思うんです。

でも、ここで手を抜けば写真人生を一生棒に振ることになるんだろうな……と直感的に感じ取っております。手を抜いた写真や仕事って、びっくりするくらい人に伝わってしまうんですよね……。

ということで、今年は「とにかく自分に厳しく」することを目標にします。そうすればきっとダラダラすることはないかなと。2年目を堅実に過ごして、しっかりと自分だけのコンテンツを溜めて、うまく3年目に繋げたいです。3年目以降の展開は逆に見えているので、いまが正念場。

仕事面では、どんなに小さな作例でも手を抜かず、レビュー記事用の写真も写真集をつくるくらいの気合いで撮りたいと思います。DRIVE RECORDERもpholicも、自分の納得できない写真は絶対に出しません。やりすぎだというくらいやりたいです。たぶんそのくらいでちょうどいい。

あと、今年は撮影の練習も「月1回」と決めてやっていきたいです。昨年は自分のできないことがよくわかったので、できないことだけを練習したいです。劣悪な環境下でも最高のパフォーマンスを発揮できるようになりたいです。

アシスタント面では、最初の頃からやっている、ボスのライティングや、自分のできなかったことを書くノートを、もう一度しっかりとつけていきたいと思います。

人生、なにひとつ成し遂げたと言えるものがないけれど、写真だけはそう言えるものになるかもしれないし、そうしたいので、2017年も頑張りたいと思います。

「アシスタント業務やカメラマンとしての仕事がきちんとできるようになれば、ゆり茶は負けない」というボスのお言葉を信じて今年も進みます。負けない私になりたい。

2016

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ボスはよく「アシスタントは、1年目に意味がわかって、2年目に慣れて、3年目に実技」と言います。

2015年の9月にいまの会社へ入社したわたしは、まさに今年が1年目。「意味がわかる」とは何だろう、とずっと考えていました。

2016年はとにかく動いて動いて動きまくった一年でした。

入社したときに「うちの一年はよその3倍の濃度だよ」と言われていたのですが、本当にその通りでした。ボスである福島裕二さんはわたしが知りうる人の中で間違いなく一番働いています。カメラマンとはこんなに仕事があるものなのかと驚きました。最初の頃は機材(←カメラリュックがすでにわたしの体重と同じくらいの重さ)ひとつ持ち上げられず、体力もついていかず、自分の気の利かなさに死にたさが募るばかりで「この先、大丈夫なんだろうか……」と不安しかありませんでした。でも「とにかくやるしかない。わたしには後がない」と思って、自分のできないことや気をつけるべきことをノートに書き出して毎日眺めたり、エレベーターのないスタジオで、自分なりの制限時間を設けて一心不乱に走って機材を運んだり、ポンコツはポンコツなりに、せめて一生懸命やることだけは忘れないでいよう、という気持ちで毎日現場に出るようにしていました。

2016年の後半は何度か海外ロケにも連れて行っていただいたのですが……自分の中で「今年大変だったことベスト1」を選ぶなら間違いなくこの海外ロケを選びます。海外ロケは普段のロケとは違った意味で戦争です。長期にわたるロケ、暑さで吹き出す汗、(諸事情により)慣れない機材、襲いくるスコール、広大すぎるロケーション、予期せぬアクシデント、データ管理、機材整備、他のスタッフさんとの関係性……気にすべきことがいつもの何倍もあって、体力面でもギリギリで、いつまで経ってもわたし役に立ってないな〜としか思えなくて、毎回帰って来るたびにハァ〜と落ち込みます。いつも冷静に、的確にあらゆることを処理していくボスは本当にすごいなと思うばかりです。

そんな日々を過ごしていく中で「もっと頑張らないとダメだ」と思うことがどんどん出てきて、2016年の後半は、まわりの人々だけがグイグイ先に進んでいって、自分だけが前に進めず取り残されている気持ちになってしまって、暗闇の中、日々悶々としていました。

「意味がわかる」とは何だろうか。

ずっと考えていたけど、よくわかりませんでした。

でも。

2016年終盤、1年ぶりに一緒に撮影の仕事をした人がいたのですが、その人がわたしをみて「祐里子さん、1年前とは別人だね。前はアマチュア上がりのネーチャンって感じだったけど、いまは違う。動きも撮影も顔つきも、何もかも別人だね」とおっしゃってくださいました。そして、他のスタッフさんも「祐里子さん……体が自然と動くんですね」とおっしゃってくださって。

わたしはいつもと同じようにしていただけなんです。前と何かが違うという実感なんてありませんでした。でも、そのとき、

「あ、わかった。」

と思いました。

うまく言葉にはできません。

きっと、アシスタントをする意味というのは、そういうことなんですね。

最後にわかってよかった。

この一年ずっと、自分が成長できているのかまったくわからなくて辛かったです。だけど、おそらく、間違った方には行ってない。そう思えました。

わたしの2016年はそんな感じです。

今年お世話になった皆様、本当にありがとうございました。2017年もどうぞよろしくお願いいたします。

来年の抱負についてはまた年明けに。

【お知らせ】フォトテクニックデジタル 2017年1月号

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12月20日発売の、フォトテクニックデジタル 2017年1月号に掲載していただきました。

p.60-65
Lens & Elements[ 6人の北川綾巴(SKE48)] にて「風と12-100mm」というタイトルの写真を撮らせていただきました。こちらは、6人のフォトグラファーが月替わりで北川綾巴さん(SKE48)を撮影するという企画です。今回はM.ZUIKO DIGITAL ED 12-100mm F4 PROを使わせていただきました。このレンズとっても使いやすいです〜〜最高じゃ〜〜。実は撮り下ろしグラビアのページに出させていただくのは初です。真冬にめっちゃ風を吹かせたので、よろしければご覧ください。

p.122-123
そして!今月号からなんと「大村祐里子の 身近なものの撮り方辞典」という連載を始めさせていただくことになりました。あくまでゆり茶流ですが……身近なものを”作品”に変えてしまう撮り方をご紹介するコンテンツです。テクニックだけではなく、写真力そのものを高めるわたしなりの視点や心の持ちようも毎回一緒にご紹介していきます。視点や心の持ちよう次第でアスファルトだってトイレだってなんだって撮れると思います。(この連載は編集長の「大村さんはアスファルトも撮れるでしょ」という一言から始まったのです……。なぜアスファルトなのかは不明……。)第一回は「煙」です。みなさんの撮影ライフのアイデア帳のようなポジションになれたらいいなと思います。華やかなポートレートが多い雑誌の中で地味コンテンツですが(笑)よろしければご覧ください。

フォトテクニックデジタル2017年1月号
http://www.genkosha.co.jp/pd/

【お知らせ】デジタルカメラマガジン 2017年1月号

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お知らせが遅くなってしまいました。

12月20日発売の、デジタルカメラマガジン 2017年1月号に掲載していただきました。

連載「カメラおじさんをたずねて三千枚」では、「天体おじさん」こと長井 維一郎さんを取材させていただきました。

専門用語の難しさは群を抜くものがありました。

「メシエ天体」「ウェーブレット変換」「コンポジット合成」「Hα線」「魔女の横顔星雲」などなど……。すごい。まったく聞いたことがない!

わたしは自分の知らない言葉に興奮する性癖があるので、テンションがあがりすぎてインタビュー後ぐったりしました(笑)

天体おじさんにインタビューさせていただいてから、不思議と他のカメラおじさんと話が合うようになりました。

だいたいの男の子は宇宙に興味があるんだなあ(本文より)。

長井さんありがとうございました。

よろしければご覧ください。

デジタルカメラマガジン 2017年1月号
https://ganref.jp/webroot/dcm/mag/17_01/

「女史展」終了しました

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本日、「女史展」BODY – カラダを通じて繋がる世界 が終了しました。
ご来場くださったみなさま、本当にありがとうございました。
この場を借りて御礼申し上げます。

あまり在廊できなかったので、お目にかかれなかった方が多かったことが残念でした。でも、2年ぶりの展示ということで、展示をしていなかった期間に私を知ってくださった方に、新作・過去作含め作品をご覧になっていただけて嬉しかったです。

この2年(今もですが)は「仕事」としての写真を撮れるようになることに必死でしたが、女史展をきっかけに、「大村祐里子の写真」を思い出すことができました。

わたしの写真の原動力は、自分の中にあるとてつもないネガティブな感情です。物騒だけど「あの男殺したい」とか「あの女が憎い」とか、ほんとそういう汚い感情が燃料なんです。……友達いなくなりそう(笑)

それを燃料にして写真集という形をつくることで、わたしは初めて自分の気持ちに区切りをつけられるんです。たとえば、誰かと大げんかして「あいつ殺す!」ってなっても、それを写真にすると不思議と冷静になれるんです。逆に写真にしないといつまで経ってもそのことを忘れられないんです。ずっとずっと過去の中で生きてしまうんです。器用なのか不器用なのか。いい歳こいて何やってんだとも思います。

「BODY」もそういった経緯で誕生しました。何が燃料かは書きませんが。ひとつ区切りをつけられたかなと思います。

過去の写真集はすべてわたしのネガティブな感情の墓場です。全力で愛した分だけ全力で弔う。そんな作品たちをご覧くださったみなさまには感謝しかありません。

※わたしの作品は「写真集」が本体なので、できたら今後も写真集でご覧いただきたいです。

暗くてゴメンナサイ。

展示にお声かけしてくださった青山さん、モリさん、Paper Poolのみなさま、そしてibarakoさんと佐藤さん、ご来場くださったみなさま、ありがとうございました。

【イベントのお知らせ】クソリプナイト

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12/22(木)の深夜に、阿佐ヶ谷ロフトAで行われる「クソリプナイト」というイベントに出演させていただきます。

「クソリプ」とは、「クソ」+「リプライ(返信)」を合体させた言葉です(たぶん)。
要約すると『クソな返信』、『つまらない返信』という意味です。
いまTwitterなどのSNSの世界で日々発生している「クソリプ」問題。
その内容は、笑えるものから、社会問題になるものまで、さまざま。
わたしもクソリプについて思うところはたくさんあります。

この「クソリプ」について、真剣に考えながら、でも最後はお酒を飲んでみんなでウエーイってしようぜー!! というイベントです。

クソリプをもらってしまいがちな貴方、クソリプを送りがちな貴方、クソリプが何かいまいちわからない貴方、そんなことはどうでもいい貴方、珠玉のクソリプとともに、聖なるクソリプナイトを過ごしましょう。

個人的にカメラ業界はクソリプ問題が発生しやすい場所だと思っております。その点についてもカメラマンのcargotさんと一緒に考察したいです。

会場である阿佐ヶ谷ロフトAはごはんも食べられるしお酒も飲めるので、クソリプそっちのけで普通に飲食しにいらしてくださっても構いません!

深夜帯ですが……次の日は祝日!みんなで始発で帰りませう!わたしは余裕で次の日仕事です!

ぜひぜひいらしてください♪

<概要>
2016年12月22日(木)
OPEN 24:00 / START 24:30
前売¥1,500 / 当日¥2,000(共に飲食代別。要1オーダー¥500以上)
※このイベントは18歳未満の方、および高校在学中の方のご入場はできません。当日、ご入場の際に身分証(免許証、学生証、パスポート、taspoなど公共機関が発行する証明書)の提示が必要となります。また、未成年者へのアルコールの販売も固くお断りします。予めご了承ください。

【出演】内海はるか/大村祐里子/cargot/星乃まみ/やまなか(仮) ほか

クソリプナイト公式ツイッターアカウント
https://twitter.com/kuso_rep_

チケットはこちらから。
http://www.loft-prj.co.jp/schedule/lofta/53942

【出展物のご案内】「女史展」BODY – カラダを通じて繋がる世界

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「女史展」BODY – カラダを通じて繋がる世界
https://www.facebook.com/events/136019443541663/

に出展するものについてご案内いたします。

今回は、緊縛師のibarakoさん(https://twitter.com/ibarako)と、フラワーアーティストのRiey Sato(https://www.instagram.com/fsriey/)さんと一緒に作品をつくりました。撮影は、Rieyさんのお店がある仙台で行いました。

Rieyさんの生けたお花にibarakoさんが縄をかけ、それをわたしが撮影しました。

タイトルは、写真展と同じく「BODY」としました。

人間を一切写さないで、どこまで人間の身体の気配や痛みや棘を表現できるかに挑戦しました。

これをご覧になった皆様がどう感じるかは正直わかりません。
でもわたしは、人間以上に有機的な何かを撮れたのではないかと思っています。
2016年は身体のことで悩まされることが多かったのですが、今回はそれを作品に昇華できたので、結果としては良かったのかなあと。

いままでの作品とはまったく違ったテイストのものができあがりました。
ibarakoさん、Rieyさん本当にありがとうございました。
お二人と、直感と直感をぶつけ合うことができて幸せでした。

ギャラリーの壁面にはA3木製パネルを4枚展示させていただく予定です。

また、新しく写真集「BODY」を作りました。
フルカラー52Pです。
会場に展示しますのでよろしければこちらも併せてご覧ください。

写真集はこれで20冊目!

よろしくお願いいたします。