先日、俳優の川口紗弥加さんの撮影で、イメージコンサルティングサロン(いわゆるパーソナル診断をしてくださるところ)を営みつつ、ヘアメイクもされている針谷(はりがい)さんとご一緒させていただきました。
話が少し変わりますが、川口さんはかれこれ7~8年のあいだ定期的に撮影をさせていただいている俳優さんです。そのため、私の中には「川口さんはこういうものが似合う」とか「こんな感じに撮るとより素敵」という知見が数多く蓄積していました。ただ、その知見はかなり感覚的なものばかりでした。
先日の撮影において、針谷さんはそんな自分のモヤっとした知見を次々と・見事に言語化してくださり、圧倒的な爽快感を覚えました。川口さんの似合う色、服、画角……すべてにおいて「そうそう!」と強く頷ける鋭い指摘ばかりで、撮影後は「なんてすごい方なのだ!」と猛烈に感動しました。
そして、針谷さんのサロンで自分も診断を受けてみたいと思うようになりました。
実は、この撮影の数か月前、診断を受けてみたいと思い立ち、別のサロンの予約フォームまで到達していたのですが、そのときどういうわけかネットの調子が悪く、うまく送信できなかったので「別の日にまたやろう」と断念したところでした(そしてそのまま忘れていました)。振り返れば、これは間違いなく「聞こえますか……ゆり子……針谷さんのサロンへ行くのです……」という神の思し召しでしたね。
念願かなって、6月某日、代々木上原にあるYINVOKEさんへお伺いすることができました。私は「トータル診断」(パーソナルカラー診断、骨格診断、顔タイプ診断)をしていただきました。
過去に、ネットの無料診断をやってみたところ、私のパーソナルカラーは【ブルべ冬】で、骨格は【ウェーブ】でした。ただ「色白でもない私が……ブルべ冬だと……?」と、どうも釈然としませんでした。
針谷さんは、かわいさと美しさのハーフアンドハーフ。華やかで、スクールカーストで言えば間違いなく一軍所属のお方。しかし「こんなに柔らかい雰囲気の人見たことないよ!」というくらい、まあるい空気感をお持ちです。オタクの私は一軍女子を本能的に恐れてしまうのですが、真の一軍の方って、オタクにも分け隔てなく接してくださるのですよね……。針谷さんはまさにそのタイプ。しかも、常にこちらのことを褒めてくださいます。美女に自己肯定感を爆上げしていただける3時間。何のご褒美?という感じでした。
診断の結果、パーソナルカラーは【BRIGHT WINTER】でした。(※ネットでよく見るイエベ春とかブルべ夏とかよりも、もっと細かくカテゴリ分けされているようです)顔の、白と黒のコントラストが高いのが特徴のよう。針谷さんの経験上、2番目に少ないカテゴリらしいです。このカテゴリの究極形態は小松菜奈様(神)とのこと。それを知ったとき「畏れ多い」という言葉の意味を心の底から理解しました。
上記のような、鮮やかなビビッドカラーが似合う、という意外な結果でした。白や黒も似合うけれど、真っ白と真っ黒で組み合わせて、とにかくコントラストを高めた方が良いとのことでした。こういった色、実は大大大好きなのですが「似合わないからやめよう」と敬遠してきてばかりでした。
骨格は【ナチュラル】でした。長年自分の体形をウェーブだと勘違いしていたのですが、骨の位置を触って確認していただいたところ「あっ、ナチュラルですね」と即断定。実際「ザ・ナチュラルですね!」と言い切れるような人は少なく、いくつかの要素が合わさっている人が多数のようです。私もそのタイプで「ウェーブの特徴もある、ナチュラル」だそうです。ラフなスタイリングや大き目のアクセサリーが似合うようで、それは好みと一致していたので安心しました。
骨格ナチュラル=ゴツいというイメージがあったのですが、よく考えると(小柄なので華奢だと思われることが多いのですが)私はわりとゴツく、特に腕がゴリラのところはナチュラルっぽいなと思いました。なんで自分のことをウェーブだと思いこんでいたのか、今では不思議なくらいです。
顔タイプは【Cute】でした。ただ、フォルムを直線にするとクールカジュアルな印象に近づくタイプとのことでした。針谷さんが例として「安達祐実さんみたいな……」とおっしゃったときに「わかりやすいですね~~~!」と、身を乗り出して芸人張りのリアクションを取ってしまいました。安達さんは確かにキュートとクールを行ったり来たりしているイメージ。個人的に安達さんのファッションが好きで、いつもインスタを眺めていたので、そうか、ああいう感じにすればいいのか~とめちゃくちゃ腑に落ちました。
後日、改めて、診断結果をまとめた資料も送っていただきました。おすすめのコスメもしっかり記載してくださって、コスメ音痴としては非常にありがたかったです。おすすめしてくださったリップは全部買いました。
診断の翌日、軌道修正の速さだけは天下一の私は、早速美容室へ行き、安達さんの写真を見せて「これにしてください」とお願いしました。こんなことするの、中2のとき川本真琴さんの「1/2」のシングルジャケットを見せたとき以来なのですけど(人選に時代を感じる……)。腕の良い美容師さんは、顔面以外は見事に安達さんにしてくださいました。顔面以外は。
パーソナルカラー診断に基づき、黒が似合うということで、黒髪の短めボブにしました。髪の毛に茶色を入れないのはおそらく25年ぶり。でも、素直に「あ、顔がハッキリしてイイわ」「もう死ぬまで黒でいい」と思えました。逆に、かつての茶髪の写真をみると「たしかに、輪郭がぼやけている感じがする!」とも思いました。
そして黒髪になったがゆえに、茶色いフレームのメガネがビックリするほど浮いて見えるようになり、美容室からの帰り道、黒フレームのメガネも新たに作りました。
他にもビビッドカラーのものを買ってみたり、コスメを新調したり。診断後は、自分の装いについて迷いが一切なくなり、毎日気持ちよく過ごせるようになりました。
いまこのお仕事をしていて日々実感するのは「人間は美醜ではない」ことです。個性的な造形をしていても、びっくりするくらい魅力的な方もたくさんいらっしゃいます。それぞれの人に、それぞれの良さが必ず、あります。100年くらい前から、金子みすゞさんが「みんなちがって、みんないい。」と詠まれていますけれども。パーソナル診断というのは、それに気が付ける、良いきっかけになると思いました。
私はこの診断を学生時代に受けたかったです(学校の必修科目にして欲しいとすら思います)。面長の華やかなギャルが一世を風靡していた時代に生きていたので、それとは(今思えば)真逆の性質を持つ私は、みんなと同じになりたいけれども、眉毛を細くすればヤンキーになり、髪を伸ばせば「幸薄そう」と言われ、とにかく世知辛さを感じていました。そんな強烈なビジュアルコンプレックスみたいなものをこじらせながら40年以上も生きてしまいましたが、今回、ようやくその呪縛から解き放たれました。
生まれて初めて、自分のこと「ちょっといいかも」と思いました。
針谷さん(そしてご縁をくださった川口さん)ありがとうございました。