2月7日発売の、蛭田亜紗子さんの『愛を振り込む』(文庫版)の表紙に写真を使っていただきました。
幻冬舎文庫より税込583円です。解説は窪美澄さん。
小説の表紙に写真を使っていただいたことは何度かあるのですが、文庫版の表紙にしていただいたのは初めてです。またひとつ宝物が増えました。嬉しい。
『愛を振り込む』は、現状に焦りやもどかしさを抱える6人の女性の生々しい性愛の呪縛と一瞬の煌めきを描いた恋愛小説(公式ページより)です。6話はすべて登場人物も設定も異なるので、まったく関係のない話なのかな?と思いきや……読み進めるうちに、ああ、やられた! と唸ってしまいました。第6話の『愛を振り込む』は圧巻です。オンナの、人間の、凄みを感じて震えました。
タイトルから「男にお金を貢いで破滅する不幸な女の話なんでしょ?」と推測する方も多そうですが、この小説のテーマはそんな薄っぺらいことではありません。わたしは、 お金というのは、愛を「可視化」にしたものだと思うんです。お年玉だったり、養育費だったり、セックスの対価だったり……。『愛を振り込む』のテーマは、その「愛の可視化」なんじゃないかな、と。
この小説のお話を最初にいただいたとき、タイトルを拝見して「あ、これわたしのことかな?」と思ったんです。
わたしは好きな人にどんどんお金をあげてしまうタイプです。ごはんも奢るし、テレビが欲しいと言われればテレビを買ってあげるし、おばあちゃんの老人ホーム代を出して欲しいと言われれば出します。
ただそれには理由があります。
好きな人に必ずといっていいほど言われるのが「君は何を考えているのかわからない」「本当に俺のこと好きなの?」なんです。
わたしは相手のことが心から好きなんですけど、それがいつもいつもうまく伝わらないんです。言葉や態度で示そうとはしているんですけど、どうもうまくいきません。どういうわけか「クールな女だね」と思われてしまうんです。本当に不器用すぎて消えたくなります。
そういうとき「わたしの好き度は100キロくらいあるの!」とか、明確な単位をつけて伝えられたらどんなにいいだろうと思います。
そんな自分の気持ちを伝えるひとつの手段として、最後に残ったのは「お金」だったんです。「あなたに○○○○円出せるくらい好き」と、単位をつけて伝えられるから……。わたしにとってお金はまさに「愛の可視化」なんです。
このことを友達に話したりすると「えーそんなのやめなよー」と言われたりしますが、わたしは別に自分を不幸だと思ったことは一度もないし、わりと幸せです。きっとこれからも、愛を振り込みながら生きていくんだろうなと思います。
本日から全国の書店に並んでいると思いますので、見かけたらお手にとっていただけると幸いです。
愛を振り込む | 株式会社 幻冬舎
http://www.gentosha.co.jp/book/b10651.html
本屋さんに行ったら探してみます。
でも文庫版はブックカバーに変えて楽しむので、読みながら目の前で飾ろうかな(笑)
愛の可視化、なかなかに鋭いお話だと思います。
お金に変換しての価値観はとかく敬遠されがちですが、これはこれで真理を付いている気がします。
作品が好み過ぎて、こっそり拝見させていただいてます^_^
>>SDさん
ありがとうございます!
よろしければぜひに。
愛とお金について考えてみた結果、こういった文章になりました(笑)
そうおっしゃっていただけると嬉しいです。
>>Rieさま
ありがとうございます!
最近は完全なるお知らせブログと化しておりますが……
励みになります。