生きる

悲しみに包まれた一日。一報を耳にした瞬間、目の前が真っ白になった。手にしていたボールペンが、一度も触ったことのない未知の物体に思えた。

訃報には、今まで経験した近しい死を芋づる式に思い出させる機能が備わっている。生命活動を停止した人たちの顔が次々と脳裏に浮かび、心が勝手に傷つく。この自傷行為はしばらく続くだろう。

ふと我に帰ると、スマホにメール受信の通知がきていた。開くと「当選」というのんきな二文字が見えた。どうやら、以前応募したラジオの公開録音イベントに当選したようだ。急に現実に引き戻される。まさか当たるとは。そして、こんなところで運を使い果たすのってどうなの、と心配になりつつ、その日に仕事が入らないといいな、と思ったりする。

今日は感情が忙しい。