写真展を振り返って。

先日、大村祐里子写真展「Closet」は全会期を終了いたしました。
お越し下さった皆様、本当に本当にありがとうございました!
たくさんの方に見ていただけて嬉しかったです。

形式面・内容面の両方から、写真展を振り返ってみたいと思います。

まずは形式面。

2011年11月に初めての個展をさせていただいて、今回で3回目の個展でした。3回目にしてようやく、当たり前のことを当たり前にできるようになったと思いました。テーマ決めからパネル制作までほぼスケジュール通り動けたし、制作物も目立ったミスはなかったし、約一ヶ月のあいだ体調を大きく崩さずに過ごせたし、たくさん在廊できたし、いらして下さった方とちゃんとお話できたし、赤字を出さずに終われました。こうやって書いてみるとできて当たり前のことばかりなのですが、自分は3回目でようやくそこに辿り着いた…という感じです。

次に内容面。

今回は「今までとは全く違うものを作りたい」と思っていました。なぜかというと…ちょっと前に、ある方に仕事の関係でポートフォリオを見ていただく機会があったんです。そのとき、その方はポートフォリオをパラっと見て「君、こういうのしか撮れないの?」と仰ったんですね。オマエは正方形でなんかオシャレっぽい自然光に頼りまくりな写真しか撮れないのか?と言われているのだとすぐわかりました。とても悔しかったです。でも、悔しいけど正論だ、と思いました。この悔しさを晴らすには、皆さんに「今までとは全く違うものだ」と思っていただけるようなものを作るしかない…。そう考えるようになり、今回の写真たちを撮りました。私、こう見えても負けず嫌いなんです。

この1年くらいで「自分は写真を仕事にしている人間である」という自覚を持つようになりました。無名であまりに実力不足ですが…。だからこそ「こういうのしか撮れない」自分ではいけないと思ったのです。完全に趣味で写真を撮っているのであれば、「こういうの」という作風が1つあれば良いと思うのです。というかむしろそっちの方が目立つと思います。だけど、仕事ではそうはいきません。作風にバリエーションがなければ、クライアントさんの求めるものに応じられない。この1年で嫌というほど思い知りました。1つの作風で仕事をしていけるのはよっぽどの有名人だけ。

今回の写真を見て下さった方からは「新しいゆり茶ワールドですね」「今までの写真を撮っている人と同じだと思えない」といった感想を多くいただけたので、私の試みはそれなりに成功したのかなと思いました。一方で、「俗っぽくてつまらん」「女子会トークを写真にしただけで新しい発見はゼロ」「結局何がしたいんですか」という感想もいただいたので、私は作風に拘るあまりテーマをきちんと昇華できていなかったんだなと感じました。この点に関しては今後の課題にしたいです。

この写真展で得たもの・反省したことを胸に、これからも試行錯誤しながら進んで行きたいと思います。

最後に。
私のやりたい放題を許して下さった喫茶おとらの夏目さん、
短納期にも関わらず制作物をきっちり仕上げて下さったデザイナー松田さん、
ありとあらゆることを手伝ってくれた親友まんじ、
被写体からCD制作まで楽しんでやってくれた妹&キャストの方々、
いつも私を無言で応援してくれるダンナ、
そしてお越し下さったすべての皆様、
本当にありがとうございました。

これからもがんばるZZZZZZZZZ
今回めっちゃポジティブです!

* * * * *

展示した漫画&写真を掲載いたします。

comic

この写真展について(漫画)

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01.Closet

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02.改造人間

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03.肉食系女子

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04.女子力

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05.OTAKU

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06.ファンシー○射

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07.女の人生ゲーム

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08.アタシが一番

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09.ガールズトークは下品

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10.勝負パンツ

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11.ジェラシー

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12.赤い糸

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13.狙ってる

closet

黒い解説

他にも漫画がありましたがそれは会場限定で!

完全版のZINEはこちらで通販させていただいております。よろしければ。
http://shutter-girl.jp/?p=22286

20件のコメント

  1. まずはお疲れ様でした!

    今回直接お会いすることができただけでなく、お話をしながら今までの
    作品を見る機会に恵まれ、素敵な時間を過ごすことができました。

    作品はもちろんそうなんですが、作者をリアルに知ってもらうと
    いうことも大切なことではないかと思います。ゆり茶さんの場合は
    そのユニークなキャラクターも魅力のひとつなので。

    今回の写真展でより身近になったゆり茶さんの今後の活躍期待しています。

  2. 個展お疲れさまでした!
    この”総括文”を拝読して、個展そのものと同じくらい感動しました〜
    私の中ではゆり茶さまは「強大な写真力をもったオールラウンドで超個性的な作家さん」なのですが、現在のご自身への、厳しい自己評価と、それを踏まえての、カラ元気ではない覚悟あるポジティブさに打たれました。
    さらなる新しい・拡張されていくゆり茶ワールドの前途を、今後も期待しつつ応援させていただきます!

  3. 個展ご成功おめでとうございます!新しいカテゴリーな作品展示されたのですね。
    だけど、人の言葉に惑わされないでくださいね。多くの引き出しがあるほうが仕事はしていきやすいはずですが、大きなカメラで真四角のフィルム写真をあんなに美しく撮るGirlって誰?からファンになったり作品を観ていらっしゃる方も私含めて大勢いらっしゃると思いますよ。そんな写真こそ今までになかったゆり茶さんらしい個性だと思っていますので(観ると誰かわかる写真)これは1つ確立された財産じゃないかと思いますよ!
    そういう作品を観たいと思ってるファンもいるのだなって覚えていていただきつつ、新しい世界にも羽ばたいてくださいね!

  4. 個展、お疲れ様でした!
    ゆり茶さんの個展を拝見したのは初めてでしたが、とても面白い試みだったと感じています。
    どの世界でも「プロ」は厳しいですよね。
    求められること以上をするのが「プロ」なんじゃないかなと、近頃、思っています(おせーよ!w)
    でも、一番最初に会った時に言ったように、僕は、ゆり茶さんの写真、大好きですよ。
    もっともっと、精進して、さらなる「ゆり茶ワールド」を魅せて下さいね。
    期待しております!!ヽ(*´∀`)ノ

  5. お疲れ様でした。
    会期終了間際だったけど行けて良かったと思ってます。

    今回の作品と展示にはそのような経緯があったのですね。でも、こう言うのしか撮れないのかと言うコメントの真意は僕には良く分からないな。

    作風をガラッと変えても撮ってる本人が変わるわけではないし、案外今までと同じようなものに視線が向いていたり興味が湧いているような気もする。

    今回はコンセプトがはっきりしていてそれをどれだけ再現して伝えられたのかが一番のポイントでしょうね。そう言う意味では写真と言うより映画に近い手法だったのかも知れない。

    自分の中で昇華が不充分と反省されてるようですが、そうなのかな? 長い目で見て自分の作品群を広く見渡す内に、今回やったことの収穫が新たに分かって来るかもよ。

    次回も楽しみにしています。また(^o^)/

  6. 写真展お疲れ様でしたー
    写真も面白かったけどお店もすごく魅力的で見に行ってほんとよかったなぁと思ってます。
    またこうしてクローゼットの誕生秘話というのかな?
    そんな話しを聞いてまたzineを読み返すと深く感じるものがあります。
    プロの写真家としていろいろやらなきゃいけないってのもあるけどゆり茶さんの想像写真っていうのかな?あれは完全にゆり茶さんのオリジナルで支配されている分野だと思いますー
    またどっかの個展ありましたらお邪魔しますね

  7. ゆり茶せんせい、素晴らしい♪当たり前のことかもしれないけど、それだけできる人は稀です(*^_^*)

    確立された作風と全然違うものを新たに作り出せるというのも、プロだってなかなかできることではないと思います。むしろプロの方が、ファンがついている分難しいはず。

    でも、真のプロは決して一色ではなく、しかも違う色合いの中にその人らしさがちゃんと存在してるもんです。個人的には、いつもそんなアーティストが好きです(^_−)−☆

    これからも、ゆり茶ワールドをどんどん追求していってください。今回は諸事情により観にいけませんでしたが、次回は地球の果てでも観にいきます!!

  8. 「自分は写真を仕事にしている人間である」
    えっ、そうだったんですか?(汗)

    そんなこと考えず、
    純粋に取り組んでいるのかと思っていました。

  9. 素敵な写真を鑑賞させていただき、ありがとうございました。
    女性心理について大変貴重な経験ができたように思われます(笑)

    次の個展も楽しみにしています!お体に気をつけてがんばってくださいね。

  10. >>Coosbayさん
    お返事が遅くなってしまってごめんなさい。
    2回もお越し下さいまして本当にありがとうございました!

    >作品はもちろんそうなんですが、作者をリアルに知ってもらうと
    >いうことも大切なことではないかと思います。ゆり茶さんの場合は
    >そのユニークなキャラクターも魅力のひとつなので。

    ありがとうございます。
    そう仰っていただけて嬉しいです。
    これからもできるだけ皆様の前に出られるようにしたいと思います。

    これからも頑張ります!!

  11. >>こめへんさん
    お返事が遅くなってしまってごめんなさい。
    2回遊びに来ていただけて嬉しかったです。
    山梨に行かれる前にお話できて良かった!

    真面目な総括になってしまいました(汗)
    読んで下さってありがとうございます。
    そうなんです、かなりポジティブなんです!
    これからも試行錯誤をしながら進んでいきたいなと思いました。

    本当にいつも温かいお言葉をかけてくださり、ありがとうございます!
    感謝してもしきれません。

  12. >>masha♪さん
    お返事がおそくなってしまってごめんなさい。

    今回は記事のような意図があり、今までとは違うものを出してみました。
    ただ、いままでを否定するような意味ではないのでご安心下さい!
    いままでもこれからも正方形の写真が好きですし、撮り続けて行きたいと思っています。
    好きだと仰って下さる方がいてくださるのは本当にありがたいことだなあと感じています。

    しばらくできないかもしれませんが、そのうちまた正方形の写真で展示等やりたいなと思っておりますので、そのときはぜひよろしくお願いいたします!

  13. >>にのさん
    お返事が遅くなってしまってごめんなさ。

    展示にいらしてくださってありがとうございました!
    本当に仰る通りです。
    私はまだまだ求められる以上のことができません。

    これからも精進していきたいと思います!
    頑張ります!!!

  14. >>だいきちさん
    お返事が遅くなってしまってごめんなさい。
    展示ににお越し下さいましてありがとうございました!

    >今回はコンセプトがはっきりしていてそれをどれだけ再現して伝えられたのかが一番のポイントでしょうね。そう言う意味では写真と言うより映画に近い手法だったのかも知れない。

    たしかに、今回はコンセプトをどう再現するかという点に一番力を入れました。
    映画に近い手法だったかもしれません。
    映画を撮ったことはありませんが…(笑)

    >自分の中で昇華が不充分と反省されてるようですが、そうなのかな? 長い目で見て自分の作品群を広く見渡す内に、今回やったことの収穫が新たに分かって来るかもよ。

    まだ収穫については実感がないのですが、この先、わかってくるのではないかと前向きに考えております!いままで、だいたい、1年後くらいに「あれやって良かったな」と思えるので!

    これからも頑張ります。
    見守っていただけたら嬉しいです!!

  15. >>ぼんくらさん
    お返事が遅くなってしまってごめんなさい。
    写真展にお越し下さいましてありがとうございました。

    厳密に言うと、想像写真は私が好きで撮っているものであり仕事ではないので、仕事の話と一緒にしてはいけなかったんですよね(汗)すみません、わかりづらい記事で…。このときは自分の力不足ばかり気になって、いろいろなことがごっちゃになっていました。オリジナルと仰っていただけて光栄です!

    またいつか個展をしたいと思いますので、そのときまた遊びにいらして下さったら嬉しいです。

  16. >>kakitsubataさん
    お返事が遅くなってしまってごめんなさい。
    本当にいつもありがとうございます。

    そうですね、真のプロはすごいなあと思います。
    らしさを失わずに高いクオリティのものを出せるようになったらいいなあと思っていますが、なかなか難しいですね。精進いたします!

    いつかまた個展ができたらと考えておりますので、そのときはぜひあそびにいらしてください!

  17. >>hironekoさん
    お返事が遅くなってごめんなさい。
    8月は、わざわざ大陸からありがとうございました!!
    久しぶりにお会い出来て嬉しかったです。

    そうなんです!
    実は、最近、仕事で撮影をさせていただくことがほとんどなんです。

    初心を忘れず、精進したいと思っています!

  18. >>じんさん
    お返事が遅くなってしまってごめんなさい。
    写真展にお越し下さいましてありがとうございました!

    >女性心理について大変貴重な経験ができたように思われます(笑)

    そう仰っていただけると嬉しいです。何よりです!

    また個展ができたらいいなあと思っております。
    そのときはぜひに!

  19. クライアントの要望に応えることはもちろん重要ですが、
    自分の持つ独特の感性はどんな時でも忘れないでください。
    だから、「自然光に頼りまくり」という一言には反論したいですね。
    あれは野生の勘か、逆にかなり意識していないと捉まえられるものじゃありません。
    そんなわけで、これからも好き放題やってほしいです。
    その自由奔放さがゆり茶さんの写真だと私は思っているので。

  20. >>hironekoさん
    はい!
    自分の良いと思うものはしっかり持っていたいと思います。
    様々なご要望に応えられるよう精進しつつ、
    自分の好き放題できる環境も作って行きたいです!
    アリガトウゴザイマス。

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